1、中和活性定量検査とは
1、新型コロナウイルスのワクチン接種による獲得した免疫力を評価するのに、
抗体量を知ることが一つの目安となっています。
2、抗体量を測る検査には、以下の2種類あります。
(A) IgG(S)量を測る抗体検査(単位はAU/mL)
(B) IgG(S)抗体とIgM抗体をトータルで測定する抗体検査(単位はU/mL)
(A)の抗IgG(S)抗体の中には、結合するだけで感染を防げない抗体もあリます。
これに対して(B)の中和抗体はスパイク蛋白S1の中にあって人に感染するのに必
要なRBDに結合し、人の細胞への侵入を邪魔する抗体です。
中和活性(中和抗体量)が高いと実際の感染を防ぐ力が高いと考えられるので、
(B)の「中和活性」定量測定がワクチンの抗ウイルス効果を知るには適している
と言え、当院では(B)の測定をします。
2、中和活性のこれまでの知見
① ワクチン2回接種後に獲得した新型コロナウイルスに対する免疫は2週間後を
ピークに徐々に下がって行きます。
② 抗体量は、接種後3ヶ月でピーク時の1/4に減少するという報告があります。
③ ワクチンの効果が下がりがちなのは、
1、女性より男性、 2、20歳代より60〜70歳代(高齢者)
3、飲酒の機会が多い人
3、検査結果の見方
1、0.8 U/mL以上あれば、中和抗体陽性と判定できます。
2、ウイルス感染予防に効果があるのは、15 U/mL以上と言われています。
3、300 U/mL以上は感染や重症化予防が期待できる「高力価」です。
4、高力価でなくても抗体を作るB細胞には「記憶」が残っているので、コロナ感
染が起こればすぐに大量の抗体を作ることができ、心配はありません。
4、当院での中和活性定量検査
1、当院で3〜5ml程度を採血して行う血液検査です。
2、実施時間は、月、火、金曜日の11:30〜12:00 , 15:00〜16:30で、
電話予約が必要です。
3、検査結果は1週間程度で希望住所に郵送されます。
4、保険適応はありません。自費検査で検査料は税込 6,600円です。
同一者の2回目以降の検査については、検査料は税込 5,000円です。
5、団体(10名以上)の検査料は1回目の検査でも1人税込 5,000円です。
団体予約の場合は出張検査もご相談ください。
6、採血時にワクチンの種類、2回目接種日をお聞きします。
< ファイザー製2回接種後 14〜16週;当院職員42名 >
< このグラフの解説 >
1、このグラフはファイザー製2回目接種後14〜16週(3ヶ月経過)のデータです。
2、横軸は年齢、縦軸は中和活性を指数表示しています。
3、抗体陽性(>0.8 U/mL)とウイルス予防に効果があると言われる15 U/mLは
全員がクリアーしています。
4、年齢が高くなると、中和抗体量も低くなる傾向があリます。
5、39歳以下の方は全員が300U/mL以上の高力価を保っていました。
これに対し、40歳以上の方の約40%は高力価ではありませんでした。
6、高力価でないからと言って、免疫力がないということではありません。
ウイルス感染がもし起こっても、免疫細胞の「記憶」により直ちに大量の
中和抗体が作られ、重症化を防ぐことが知られています。
7、同じ人が数週間後に再検査して中和抗体量の推移を見ることは自分の免疫力を知
る一つの指標になり、3回目ワクチン接種時の参考になリます。
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